西光寺
時宗 東福山 西光寺
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Saikouji Blog

和尚のひとりごと “Amazon『お坊さん便』に我もの申す”

最近のお寺事情のひとつにご葬儀の変化があげられます。

これは、都会、地方に関わらず同じような動きになっております。

昔のご葬儀と大きく変わったところは、

所謂家族葬への変化です。

ご葬儀は亡くなられた方を送る葬送の儀式、

生前中にお世話になった方々、

ご縁ある方々の心をひとつに人生最後、

その方を主役として見送る儀式でありました。

ご遺体が寝かされたまわりを縁あるたくさんの人々が囲んで

邪悪な者が魂を奪いに来ないように警護した、

それがお通夜であり、

葬送の儀式の形でありました。

しかしながら、

近年にはいり近親者のみの葬送の儀が主流となってまいりました。

お子さん、

お孫さん、

血のつながりが一番近い順番の数名で勤める葬送、

ご葬儀を扱う会社の葬儀場ホールも小さなお部屋がふえてまいりました。

心から故人を思い手を合わせ見送ることは、

もちろん、そこにおられる人数は関係ありませんが、

これからますます

あたりまえの形になっていくことと私は思います。

お坊さん便

さて、

それに関連して最近の話題、

通販サイトAmazonの『お坊さん便』…

ご利用になられる方が多いようですね。

そのとき限りのお経、

その先お寺さまとのつながりも無し、

もちろんすべて込みの定額のお布施。

すべてにおいていまを生きる人たちにとっては、

魅力があるからこそ発注、

お経の予約をお入れになると思います。

それは時代が求めているのですから、

お願いされます側の人には、

それはそれでかまわないと思います。

お坊さん便2

ただ、呼ばれてお経、ご法事を勤める側、

つまり僧侶の側としては、

やはり普段からしっかり修行され、

お寺のあり方、僧侶としてのプライド、品格、人格、

そして惹きつけるお経の力がそなわっておられないと、

送られる故人にとっては悲しすぎると思うのです。

呼ばれたならプロたれ…これを忘れてはいけません。

以前ブログに呼ばれるだけの葬式坊主も、

呼んでもらえなければそれにもなれない、

呼んでもらえるような選ばれた和尚でありたいと書かせていただきました。

その気持ちは、

いまも変わらずです。

今日、朝のラジオを聴いておりましたら現代の葬儀事情のなか、

Amazonのお坊さん便の話題が流れてまいりました。

お坊さん便でお願いし、

お経を勤めていただいた方が、

僧侶になるための修行もされていない、

CDでお経を覚えてお坊さん便に登録されていたことがあったそうです。

お坊さん便、

やるなら僧侶になる自覚をもって修行に励み、

本物の衣をまとうプロであれと思った朝のひとときでした。

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さてさて日本全国各地、

どなたか私を選んで下さいませ、

お布施は相談させていただきます。

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もちろんプロ意識、

心をこめたお経で選ばれる和尚でありたいです…和尚のひとりごとでした。

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