西光寺
時宗 東福山 西光寺
時宗 東福山 西光寺

Saikouji Blog

和尚のひとりごと “そこまで行けたなら親子三代でお経も…夢では…ないかな”

この週末が終わって、

来週の中頃になりますと

雨模様の予報。

すっかり

晴れわたった空を眺められますのは、

ここ数日かもしれません。

今日は、

昨日につづいて風もなくおだやか、

朝、

いつものように

京都のラジオを聴いておりますと、

あちらも最高気温が三十度に近づく予想。

全国的に

いい時間と

大きな青空がひろがるひとときに

つつまれることでしょう。

さて、

昨日の夕方、

お寺を閉め終えたときにお客さまが。

うかがってみますと、

『空いているお墓の場所は、ありませんか』

同じ隣町に住む

お檀家さまに聞いて来ましたとのこと。

もう、

何年ぶりに聞く言葉でしょうか。

昔なら、

えらばれても普通という時代もありましたが、

いまでは、

終の住処も多種多様。

いろいろな形や場所が生まれ、

お寺にお墓を建てて

お檀家としてお付き合いをしていくことなど、

もう、

遠い昔になってしまったからです。

その原因は、

ハッキリしております。

お寺とのつながりが面倒なことです。

たとえば、

私がお墓を求める側として、

お寺に対するイメージは…

年間の管理費は、いくらなのか。

葬儀のときのお布施や、

法事のたびのお金はいくらかかるのか。

なにか、

大きな計画が進められたとき、

とても大きな寄付金のお願いがとどくのではと、

面倒くさい、

金銭的な負担が大きすぎる、

等々、

将来を想像するだけで

チェック項目がでてまいります。

ついこの間までなら、

そうお考えになりますみなさまは、

このあたりでは、

神道へ入信される方が多かったのですが、

いまとなっては、

その選択も薄くなり、

夫婦墓や樹木葬、

一代きりの墓地と、

そちらのほうに風は、

まちがいなく吹いております。

しかも向かい風ではなくて、

追い風そのものです。

西光寺が境内にて

一歩一歩進めております樹木葬の計画も、

そのひろいニーズに応える寺院としての支度です。

でも、

そこには、

ただ単に販売を目的にするのではなく、

だれもがその主役として

人生最後に迎える葬送のイベントに、

せめて安らぎのお経、

心地よいメロディーで

見送ってあげてほしいなと思うからです。

たとえ、

その先のお経を勤めても勤めなくても、

人生で一度きりの死に接して、

最後の最後ぐらい、

【そのように送ってあげましょうよ】

とメッセージを贈りたいからです。

私は、

たとえ葬式坊主と言われたとしても、

葬儀を勤める私に誇りをもっております。

このお経で、

またお一人、

安らかな旅立ちと、

見送るひとたちに誠心誠意、

経文の一文字一文字、

これでよかったと感じて下さるかどうか、

常日頃より

自らの修行と思っているからです。

『おっさまのお経は…ありがたい』

そんな私でありながら、

私も永遠の別れの日、

今日も命の残り時間をゼロに向かって

秒針を刻んでおります。

ほぼ直近の日本人男性平均寿命、

81.64歳…

もう私の残りは…二十年か…。

あとどれほどの時間を、

ここに座り

お経といっしょに過ごせるだろうか…

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そこまで行けたなら

親子三代でお経も…夢では…ないかな…和尚のひとりごとでした。

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