西光寺
時宗 東福山 西光寺
時宗 東福山 西光寺

Saikouji Blog

和尚のひとりごと ”へえ~”

朝方より降りだした雨も午後まで続き、

参道も、お参りのお姿も見かけない静寂さにつつまれておりました。

本堂より境内を眺めていると、

屋根から落ちる雨が音をたて、

濡れた緑の葉っぱが雨の重さでお辞儀をしております。

まるで、ときおりお参りに訪れる人へ

「いらっしゃいませ」

と話しかけているようです。

先日、

ひとりごとのなかで

ネットの広がりについて書かせていただきましたが、

その延長線上のつながりも生まれてまいりました。

本堂にご用意させていただいております

QRコードをつかっての結びつき、

お参りされた方から、

いまおかれた自分自身の思いや心の葛藤を綴って、

ご連絡を下さいました。

昔なら和尚さんといえば相談相手、

また助言をもとめられた存在であったと思います。

時代的には位の高い位置におられましたから、

和尚さんによっては、

直接お目にかかることも

なかなかできなかったかもしれませんが、

お経の響きで人々の心を救うと同時に、

救いを求める人々に宗教家として語りかけてこられたと思います。

それはずっと昔にあった話ではなく、

今の時代にはいっても人の本質、人の心は変わらず、

悩み苦しみ、いろいろな原因にもがいて、

生きることの喜びを失っている方がたくさんおられます。

文明が進みすぎている時代だからこそ

人の心は置き去りになっているのだと思います。

人の心とは、強いようで実は弱いもの、

和尚の私だって人の子、みなさまと同じです。

苦しさから解放される

上手な生き方をできるようになるかならないか、

己の心、生き方を変えるきっかけを見つけることができるか、

そのアドバイスを頂ける信頼の人と巡りあえるか、

いろいろなケースが考えられると思います。

人によってまた合う合わないがありますから、

まずは自分自身の心を穏やかにさせてくれるものから始め、

徐々に上手な生き方になれるよう慌てないことです。

そのひとつが、

信頼できるひとに心の辛さを聞いてもらうことでしょう。

話すことによって心が整理され、

答えが導きだされることもないとはいえません。

ただ、『話す、伝える』勇気が必要でしょうか。

私はカウンセラーでも心理学の専門家でもありませんが、

お話を聞かせいただくお相手にはなれます。

安心して心を解放できる相手として信頼をいただけるのでしたら、

これほどありがたいことはありません。

インターネットの世界においても、

LINEやメールでのご相談があたり前の時代、

ますます

その機能を使いこなせる和尚さまたちの出番が急務ということですね。

夕べもその一助を担う立場の一人でもあるんだと、

お便りをいただきました方へのお返事をしたためながら

心新たにした私です。

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今回、

そのつながりのきっかけを作ってくれた

名刺サイズのQRコード、

今日、本堂で新しいのを作っておりましたら、

よく存じ上げております

お参りに訪れたご年配のお母さん、

「和尚さん、なにを作っておられるの?」

と尋ねられましたので、

「このごちゃごちゃした四角い模様を携帯電話で読みとると、

参拝順序とかが書かれたうちのお寺のページにつながるんです、

それをお参りに訪れるみなさまのために置いておこうとご用意してるんです」

そのあとのお母さんの言葉

「へえ~」

90歳近いお母さんから見ると日進月歩の言葉、

もどってきたその言葉が

とっても印象に残った雨のひととき、本堂での会話でした…和尚のひとりごとでした。

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