西光寺
時宗 東福山 西光寺
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Saikouji Blog

和尚のひとりごと “過去のわたしのこころをしまっておける宝箱”

春のひととき、

つれづれに思うこと。

なんでこんなに暖かいのか。

冬の季節も一ヶ月遅くなっている感覚、

そして、

今年の春の季節は、

ひと月早く、

桜の花、

藤の花、

そして菜の花と、

開花がどんどん進んで、

一昔ならいまが盛りの頃には花は散り、

『つぎの出番を待っていてください』

と通りすぎる風に

そんな手紙をしたためて、

わたしたちの住む街へ

送りとどけているような感覚です。

新緑の風景もひろがり、

黄緑色に染まる大地にこころをあずけ、

ちょっと

近所を散歩するのも、

この季節の楽しみ方。

ほどよく

額を流れる汗に心地よさを見つけたなら、

もう、

あなたも季節を友だちにして

四季に遊ぶ術を得られるでしょう。

そんなあなたになって、

我慢のいま、

耐えて

乗り越えられる強さを育んでほしいものです。

さて、

相変わらず、

ご朱印ブームがつづいているのでしょうか。

ひとときの流行から時間も過ぎましたが、

訪れてくださる方もチラホラと。

こころの拠り所として

一度は訪ねてみたい聖域。

そんな心持ちなら

ご朱印にも意味が生まれますが、

集めることを目的として、

書いてくださる場所に行く…

その程度の心持ちなら、

ご朱印の意味がなされません。

いきなり…

書いてとお願いするのではなくて、

まずは、

ゆっくりと

聖域の空気感を確かめながら参拝、

過ごしている

その瞬間瞬間をこころで感じながら、

ゆるりとした時間で。

そして、

そこになにか思うことがあったなら、

最後にご朱印をいただいて、

余白の部分に

わたしのこころ模様を、

あなただけが見える文字でしたためておきましょう。

飾ったり、

見せびらかしたりと、

ひとによってはおられるようですが、

一ページ一ページ、

自分のこころを

あっけらかんと第三者にオープンにすることは、

ご朱印のご利益というものがあるのなら、

自らふりまいて、

その帳面にしまってあった

そのときのわたしというものを…

無くしてしまうようなものです。

ご朱印の一枚一枚、

一ページ一ページ、

過ぎた過去を生きたわたしが刻まれた

…人生の帳面。

傍において、

大切に、

過去のわたしにも

寄り添ってあげてほしいものです。

過去のわたしのこころをしまっておける宝箱、

それが…

あなたの持っているご朱印帳なのですよ。

大都会に世界遺産の観光地、

大型連休の直前、

緊急事態宣言があちらこちらの都道府県で

ではじめるいまだからこそ、

余計にStayホーム、

手元のご朱印帳を開いて、

過去のわたし、

こころを振りかえることにいたしましょうかね。

IMG_7149

もちろん、

わたしひとりの時間でね…和尚のひとりごとでした。

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